STYLE TRIATHLON┃パラトライアスリート 秦 由加子さんにインタビュー(1)

STYLE TRIATHLON┃パラトライアスリート 秦 由加子さんにインタビュー(1)

 今回はHUUBのサポート選手でもある日本のパラトライアスロン界の第一人者、秦 由加子さんにインタビューをお答えいただきました!

 『STYLE TRIATHLON』 は、トライアスロン初心者からトライアスロン経験者の幅広いトライアスリートに、トライアスロンの更なる魅力を最大限に知ってもらうために発信している記事です!!

 

秦選手の経歴 

3歳で水泳を始め、10歳までスイミングクラブに通う。 

13歳で骨肉腫を発症、手術により右脚を大腿部から失い、スポーツとは無縁の生活となる。 

2008年27歳でパラ水泳のクラブチームに所属し水泳を再開。広州2010アジアパラ競技大会などで日本代表を経験するも、2012年ロンドンパラリンピック出場は叶わず。 

2013年トライアスロンに転向。 

2016年リオパラリンピックに初出場、日本選手最高の6位の成績を残す。 

2021年東京パラリンピックに出場、6位の成績を残す。

 

 トライアスロンで世界を目指すきっかけとなった「応援」とは? 

Q.トライアスロンとの出会いを教えてください。 

 A.28歳(2009年)になってから「稲毛インターナショナルスクール」のトライアスロンコースで競泳のご指導を頂くようになりました。広州2010アジアパラ競技大会などで日本代表も経験しましたが、2012年のロンドンパラリンピック出場は叶いませんでした。そんな時にチームのコーチや周りのトライアスリートから誘いを受け、ロンドンパラの次の年にトライアスロンに転向しました。練習場所には何人もトライアスリートがいて、その方々との出会いがトライアスロンを始めたきっかけです。
 
トライアスロンは「きついスポーツ」という印象を持たれることが多いですが、私はトライアスロンの魅力を周りのトライアスリートの方々から教えてもらっていました。 なのでシンプルに「トライアスロンをやっている人は楽しそう!」という理由で始めることにしたんです。 
 
トライアスロンを始めるにはたくさん分からないことがあると思います。例えば、何から練習すればいいのか、どう練習すればいいのか、競技用具はどうすればいいのか、など悩むことが多いと思います。加えて、私の場合はハンディキャップもありました。でも周りの人たちは「秦さんトライアスロンいつから始めるの?」とか、工夫したらできるんじゃないかというスタンスで、いつも応援してくれていたんですよ!だから、周りの人たちにも助けられながら「私にもできるんじゃないか!」とポジティブに挑戦することができたんです。

 
 
 
 

「こうなりたい」という理想が、原動力になる。

Q.水泳からトライアスロンへの転向でどんなところが変わりましたか? 

 
A.トライアスロンに出会って人生が大きく変化しました。それまでは外装をつけて義足を隠していましたが、トライアスロンのために義足の調整や部品の取り換えをしているうちに、日常生活でも義足は仕方なくつけるものではなくなり、義足に対して愛着を持つようになりました。 
 
関わってくださった周りの方々は、「見せてくれる?」「かっこいいね!」と言って、私の義足に興味を持ってくれました。 
そう言われることがこれまでなかったので衝撃を受けました。 
その時に「自分がコンプレックスだと思っているだけで、周りは自分が思っているほど気にしていないんだ」と感じました。コンプレックスは「自分自身が作り出しているものだからこそ変えられるんだ」と気付かせてもらいました。
 
様々な人との交流関係や、大会でしか見ることのできない景色、どこが自分の限界なのか、などトライアスロンに挑戦したことによって今まで見ていた景色は完全に変わって、思いもしなかった世界を知ることができました。 
 
障がいを持った当時は、殻に閉じこもっていて「今では考えられないぐらい暗かった」と言われます。「スポーツなんて絶対無理」と思っていたけれど、そのバリアは周りの方々が壊してくれたんです。今は「こういう自分になりたい」という理想を持つことが原動力になっています。
 

次回予告
秦 由加子選手がトライアスロンを通して伝えたい想いとは?

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